ジオメット処理とダクロダイズド処理の違いとは?

1. ジオメットとダクロタイズドが解決できるお困りごと

以下のようなお困りごとに対して、ジオメットとダクロダイズドは効果があります。

・めっきが錆びて困っている
・鉄部品を錆から守りたい
・高温な環境下でも耐熱性や耐食性を発揮してほしい
・水素脆性(*注1)のリスクを減らしたい
・鉄部品の寿命を延ばしたい

*注1)水素脆性
金属が水素と反応して強度が低下し、脆くなる現象のことです。金属は通常、強靭で硬い性質を持っていますが、一部の金属は特に高温や高圧の環境下で水素ガスと接触すると、水素が金属の結晶構造に取り込まれることがあります。その結果、金属が脆くなり、外部の力や応力によって簡単に破損する可能性が高まります。この現象は特に高強度鋼などの金属材料で問題となることがあります。

2.ジオメットとダクロタイズドの特徴

耐食性

金属フレーク(亜鉛)(*注2)からなる皮膜成分により、自己犠牲保護作用(*注3)を発揮します。亜鉛は酸化や腐食に弱いため、素材である鉄が腐食される前に、亜鉛が傷つき、酸化してしまいます。この過程によって、亜鉛が犠牲になりつつも、素材である鉄は守られるため、高耐食性被膜が形成され、金属の劣化や腐食を防ぐ役割を果たします。

*注2)金属フレーク
非常に薄く、小さな金属片のことを指します。金属を薄く延ばし、剥離して得られるもので光を反射する性質を持っています。金属フレークは、さまざまな色や効果を持つ特殊な素材として、幅広い用途に使われています。

*注3)自己犠牲保護作用
金属表面が他の物質によって傷つけられたり腐食される際に、金属自体が犠牲になることでその傷や腐食を防ぐメカニズムのことです。

耐熱性

結晶水(*注4)や有機樹脂(*注5)を含まないため、熱劣化しにくく、長時間にわたって高温環境に耐えることができます。

*注4)結晶水
物質が水分子と結合して、特定の割合で結晶格子を形成する現象を指します。代表例:銅(Ⅱ)硫酸五水和物
銅(Ⅱ)硫酸という化合物に結晶格子中に5つの水分子が結合したものになります。この結晶水の存在により、化合物は青緑色の結晶として見え、水に溶けやすい性質を持ちます。                   

*注5)有機樹脂
化学的に合成される高分子化合物の一種で、プラスチックとして一般的に知られています。

薄膜                   

ネジの篏合性に優れていて、ネジの締結がしっかり行うことができます。

ガルバニック腐食

電位差の異なる金属が接触し、電気的反応が起こることで金属の腐食が進行する「ガルバニック腐食」を防止する効果があります。

高温化での耐食性          

通常の表面処理方法は高温に弱いため、高温環境下での耐食性に欠けることがあります。
しかし、ジオメット/ダクロタイズドでは、結晶水や有機樹脂を含まず、熱による劣化が少ないため、長時間にわたって高温環境でも耐食性を保つことができます。

3.液ごとの特徴

ジオメット

ジオメットには以下の特長があります。

・高耐食性:電気亜鉛めっきの10倍の防錆性能です。 
・薄膜:薄膜でも高耐食性を確保しています。
・優れたねじ締結性:めっきよりも優れたねじ締結性を有しています。

トルカーシリーズ(トルカーシリーズ | mcsystems)との併用すると、繰り返しねじを締結する場合でも、安定した軸力を確保することができます。               

②ダクロタイズド

ダクロダイズドには以下の特長があります。

・コストパフォーマンスが良い:電気亜鉛めっきの15倍の防錆性能に対し、コストは1.2倍となっています。
・優れたねじ締結性:薄膜でも高い耐食性を確保しています。
・塗装の容易性:ねじ部分や締結部分を保護するためのマスキングが不要です。

4. 資料請求                     

ジオメットどダクロダイズドの効果に関する資料をお送りいたします。
請求の際は、お手数ですが資料請求の「その他資料」の部分に「12」と記載をお願いいたします。

当社は『表面処理のリーディングカンパニー』として薬剤販売から工程設計、設備設計等の生産技術開発、新技術への試験、評価等、表面処理に必要な機能を全て社内に持っています。
表面処理に関するお困りごとについては、こちらからお気軽にご相談ください。

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